WORKS C -回想-
「学生時代の課題製作」——手書きの書込みもなつかしい
大学時代課題キャンパス内職員住宅、学生寮計画(2年次)
この中で印象に残っているのが職員用共同住宅。住戸には従来の公団タイプにはない「空間に流動性のある」ものをもとめた。今でもこの志向の延長線上にある。外観は階段室形で形式は公団タイプに近いが、今みるとなにか鮮烈。
学生寮の円形プランも自分の下宿体験をベースに、少人数入居の学生同士が中央の共用部を中心に「一体感」をもてるようにと力を入れた記憶があるが詳細プランが残っていない。
各用途毎の計画には真剣だったが、全体計画としての考察が良かったのだろうか?
大学時代課題キャンパス全体計画(3年次 友人との共同制作)
課題としてキャンパス全体の計画上どのような制約や条件があったかは今では記憶にない。
正門、裏門、などを前提とした構内配置計画ではなく、また序列や正面、背面というものもない。現実の管理面では少々問題ありともいえるが、良く言えばなんとものびのびと公園の中のごときキャンパス。
講義棟は大学の活気ある「諸活動の集合体」、結果として「都市の建築群」としての表現。講義棟と比較してホール、体育館その他職員住宅や学生寮の形態や平面プランはのびやか。”グラウンド”へ、だけではない若者の好奇心を思わせる前へ動くかのような斜面の形態の学生寮。(しかし今思えばホール、体育館と講義棟との間の「広場」はこれらを関連つけるものとしてあるべきだったか?)
大学時代卒業制作ショッピング・センター(4年次)
当時、従来の画一的な開発や街路デザインへの反省から、「街並み」や「広場」といった都市施設と人間との係わりが話題になってきていた時期。一方、文庫本などをとりとめなく読みつつ、大学時代の一人旅などもあってしきりに「見ること」、「美(今思えば「価値」も含んで)とは?」などと、つたなく自問自答。「もの」と「ひと」、「ひと」と「ひと」との本来の係わりをテーマに置いたように記憶している。が、結果はいかがか?